Dicerbility Dialogue

Vol.1 収益を生む特例子会社の姿 前編

現在、障害種別の割合はいかがですか?

身体障害者が4割、精神障害者が4割、残りが知的障害者と健常者という割合です。どのような仕事をお願いするかは、障害特性ではなく個人特性で決めています。結果、身体障害者と精神障害者、健常者がともに働き、健常者は障害者社員のサポートをする役割はありますが、指導員という位置づけではなく同僚という立場で働いています。

他社も同じだと思いますが、最近は身体障害の方の採用が難しく、精神障害の方の採用数が増えています。楽天ソシオビジネスでは障害種別によって採用担当を分けています。身体障害者と健常者を担当するのは、一般採用のプロです。精神障害者と知的障害者は精神保健福祉士の資格を持つ専門職の社員が採用から定着まで一貫して担当しています。

実習を2週間、トライアル雇用1トライアル雇用(障害者トライアルコース):ハローワークや民間の職業紹介事業所等の紹介で、特定の障害者を一定期間雇用し、就職機会の創出を図ることを目的とする制度。トライアル雇用期間中に、当事者の適正や業務遂行可能性を見極め、使用者と求職者双方の相互理解を促し、その後の正式雇用の可否を決定する。なお、受給条件を満たせば雇用関係助成金が使用者に支給される。を3ヶ月行い、勤怠・パフォーマンスとも問題なく働けそうだと判断したときに本採用となります。その頃には当人は会社に慣れてきており、先輩社員の姿を見て、今後の目標などを考えるようになっています。おかげさまで離職率は下がっていますが、逆に弊社で働いて自信がついて他にチャレンジしたいといううれしい離職もありますね。私にとっては痛し痒しの面もありますが(笑)

それだけやる気を引き出す仕組みができているということですね。今後の課題はありますか?

障害者から管理職を育てていくことです。世間では障害者は清掃や簡単な事務業務などの軽作業が主体で、まだまだ企業にとって真の戦力ではないと思われてしまっているところがあります。特例子会社であってもプロパーでトップや役員になっておられる方はほとんど出て来ていません。もっと多くの障害者が管理職やトップになって、その意志や考えを直接企業活動に反映できるようにしていかなくては、本当の意味で障害者が活躍する社会になっているとは言えないのではないかと感じます。

後編へ続く